2018年06月23日

人力オルガン 続

UNICORN Hear.JPG


2018年06月18日
人力オルガン
http://reijiyamashina.sblo.jp/article/183569834.html

>小さなオルガンの場合は人力を残してもいいと思うんですけどね。。

と書いていたんですが、人力オルガンってのは、結構あるようです。なんと新しくつくったオルガンでも人力にしてるとこがあります。

  まず、一番素朴なのは、イメージの15世紀のタペストリー(貴婦人と一角獣:パリ  国立中世美術館(もとクリューニー美術館))のような小型オルガンです。イメージは修理前の1920-30年代の姿なので少し汚い感じですが、貴重なものです。 これは机の上にのせて演奏してますが、侍女が後ろでフイゴをおしているようですね。両手で演奏してますから。。

 これより小型のもので、左手でフイゴを押し、右手で鍵盤を弾く、アコーデオンみたいな演奏やってるのがあります

カテリナ・ヴァンスの演奏
https://www.youtube.com/watch?v=Uk4iVold0eU

まあ、これも復元制作楽器ですから、新しいといえば新しいのですが、こういう小さな楽器には電気送風機はつけませんよね。。。そういや、昔、小学校にあったリード・オルガンは足踏み式のふいごが風力源となる人力でしたしね。

もう少し大きいのが、先述したスイスのフリブールのオルガンで、これは帯を引っ張ってますね。

なんか、面白いのが、ベルギーのルーヴァンにある小型のオルガンですが、実はイタリアの古いオルガンで横で女性が紐をずーーと引っ張っり続けています。これ、結構重労働っぽいですね。メカニズム的によくないんじゃないかなあ。。

さらに大きい例で、フイゴがちゃんとみえるのは、
デンマークのお城 Frederiksborg Palaceにある、昔から有名なコンペニウス オルガンです。これは1610年、17世紀初頭ですから、かなり新しい!?んですが、ほんとに昔から有名でした。LP時代から各種の録音がありました。
  ここにあげるのは、お城を観光するノリで撮った動画みたいで、アメリカ人っぽいCarol Williams の演奏もいまいちなんですが、裏方の助手の少年や、フイゴや重石がよくみえるので、この動画をだしてみます。Wikiで調べたら、Carol Williams は、英国生まれですが米国での活躍のほうが長いみたいですね。カンがあたった感じです。

Dr. Carol Williams on the 1610 Compenius organ, Denmark - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=oNX0gOTLWDo

この動画の、1:50--2:10  のところで、助手やメカニズムがよくわかりますね。紐がすべらないように結び目をつけてあるのが印象的でした。

  もう少し大きくもう少し古い1565年のイタリアのオルガンを紹介します。
 マントヴァの聖バルバラ  バジリカにあるアンテニャーティ・オルガンです。扉には豪華なバロック初期ルネサンス末期、トリエント以降の風味の受胎告知が描かれています。かなり優れた構図のようにみえますから、誰の絵かな、近くでみたら下手で見るに堪えないのだろうか?とか、いろいろ考えてしまいます。。

  このオルガンでは、床においた大きな3つのフイゴがみえ、紐をひっぱっていますね。なんとなく、フイゴのところは、真新しいので、新しく修理し作り直したのではないかと思います。こういうところは真っ先に壊れやすい部分ですからね。

Organo Graziadio Antegnati 1565 - Santa Barbara - Mantova - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=Q-xtMd20b14

最後に、現在つくったオルガンで、人力構造でつくったオルガンの例を示しておきます。
これは、アムステルダムの オルガン・センターみたいなところにあるもので、ユトレヒトのニコライ教会にある古楽器(1479創設ですが17世紀18世紀に大幅増設したますからバロック・オルガンですかね)
http://mypipeorganhobby.blogspot.com/2009/11/utrechtse-nicolai-orgel-1479.html
をコピーしたものですが、人力フイゴを使います。全て真新しいものですが、人力です。動画の最初に操作してる人がでてきます。

Het Van Straten-orgel 1479/2012
https://www.youtube.com/watch?v=0GPm-SI_tDk

こういう動画を、みてると、思い出すのが
17世紀の有名な作曲家・オルガニスト  ヨハン・ヤコブ・フローベルガーの逸話です。

>旅行中、食い詰めたフローベルガーは、教会のフイゴ係に雇われたのですが、演奏中におもっきり下手にフイゴをやったので、オルガニストが怒ってフローベルガーのところにきて、「こうやるんだ、このうすのろが」と模範をしめしたところ、フローベルガーはオルガニスト席へ走って、見事な即興演奏をやったので、ヤンヤの喝采。就職先が見つかった、、
まあ、逸話でしょうけど、逸話には、オルガニストとフイゴ係の位置関係、など当時の現実が反映されてますからね。。


posted by 山科玲児 at 09:52| Comment(0) | 日記
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