昨日、
2018年06月23日
人力オルガン 続
2018年06月23日
人力オルガン 続
を書いたあと、なんとなく考えていたのは、
電気送風機のなかった20世紀以前では、パイプオルガンは一人では演奏できない楽器だったということです。
小型の机におけるような中世のオルガン(イメージ15世紀)でも、やはり横で助手が助けないと両手では演奏できなかった。 右のモノクロ版画は山車の上で演奏するパウル・ホーフハイマー(1459-1537?)、やはり右に助手がいる。
小型の机におけるような中世のオルガン(イメージ15世紀)でも、やはり横で助手が助けないと両手では演奏できなかった。 右のモノクロ版画は山車の上で演奏するパウル・ホーフハイマー(1459-1537?)、やはり右に助手がいる。
小さなオルガン(オルガネット)を持って演奏するときは右手(利き手)だけ使う演奏になってましたね(Vicensの演奏動画Youtube)。
1人で、いきなり演奏できるヴァイオリンとかクラヴィコードとかハープとかフルートとかいうのと比べると、これは大きな差ではないかと思います。なんというかな、本番にしか使えない公的な楽器という感じがするんですね。目覚めたとき素晴らしい楽想がひらめいたので、すぐ弾いてみるというわけにはいかない。。これは楽器の性格やオルガン音楽の性格をかなり規定するような気がします。
J.S. バッハのようなオルガニストは、自宅ではクラヴィコードやチェンバロで楽想を練ったりしていたらしいんです。
この1人では演奏できないというパイプオルガンの性格は、色々な意味で興味深いものがあります。
そう考えると、足踏みのリード・オルガンというのは結構画期的な発明だったんだな。まあパイプ・オルガンとは音を出す構造自体がかなり違う(ストップで選べるパイプによっては同じものであることもありえます、なんかかなり変なものをストップの変更で鳴らせるオルガンもありますので)ので、一人で演奏できるパイプ・オルガンというわけではありませんので、なんともいえませんけどね。