ヴィヴァルディからみで、偶然 検索でひっかかった 小説
を図書館でかりてきた。
大島 真寿美,、ピエタ
ポプラ社 文庫
https://www.poplar.co.jp/book/search/result/archive/8101233.html
単行本
https://www.poplar.co.jp/book/search/result/archive/8000718.html
ポプラ社 文庫
https://www.poplar.co.jp/book/search/result/archive/8101233.html
単行本
https://www.poplar.co.jp/book/search/result/archive/8000718.html
である。
久しぶりに、小説に没入して読んでしまい、はっと気がついたときは、バスの時間に遅れてしまったし、ゴミ捨ても次の日にのばすはめになった、
本というのは恐ろしいものである、
本というのは恐ろしいものである、
これは、ほとんど文体の魅力によるもので、多少の史実の間違いや、音楽史上のおかしなところなどを忘れさせる。
慎み深い上品な文体で、平安・鎌倉時代の王朝小説や日記を連想した。
なんというか、途中から読んでも面白いという性格をもつ。
L'Estro Harmonico (四季を含む曲集)(調和の霊感 これは「四季」が入っている曲集ではありません。勘違いでした。すみません 下にイタリアの団体の演奏動画をつけます)
がくりかえし出てくるが、この小説の雰囲気は、
むしろ、あの傑出したチェロ・ソナタに近いように思う。
一部に、ヴェネチアの描写が乏しいというような批評があるが、あたらないだろう。なぜなら、イタリアの生活は室内であって、室外の観光地的光景は住人にはあまりみえないものなのだ。あれた外観と豪華絢爛な室内装飾というのはヨーロッパの城館の印象であるが、イタリアでもキージ・サラチーニ宮などでリアルに体験できるだろう。
ヴィスコンティ映画なんかを覗いてもやはり室内の演出が多い。太陽の国イタリアというプロパガンタにだまされてはいけない。 霧の町ロンドンのベーカー街が室内中心なのはあたりまえとはいえ、イタリアは全くちがう というのは偏見だろう。
興味深いのは、主要な登場人物がすべて四十五歳前後であり、執筆時点の著者の年齢と同じにしてあることだ。
この本の単行本初版が刊行されたのは2011年2月18日で、東日本大震災の一ヶ月前だったのは、運が悪かった。あれがなかったら、もっと読まれた本だったかもしれない。