2018年08月07日

ラオスはISD訴訟をするか?

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ラオスが崩壊ダムの問題で、事故調をつくり、

>ラオスのエネルギー鉱山省の担当局長
>「世界銀行と、国際的に公認された他の独立専門家らも調査に参加するだろう」と説明したという

という記事を読んで、世界銀行?というのでピンときた。
これはISD訴訟にもっていくつもりではなかろうか?

 ISDはTPPの問題でその悪名がクローズアップされた制度で、世界銀行が民間企業と国家との紛争を調停するものである。が、ラオス政府が韓国のSK建設による損害を韓国政府に請求する訴訟にしてもおかしくないだろう。ラオス国内の裁判所でSK建設が敗訴しても, 差し押さえできる資産がラオス国内にはないから、世界銀行に調停を頼むというのはありうる。

本来は、先進国の企業が. 法もまともでない開発途上国に投資したとき、現地政府の恣意的な運用や契約違反などで損失をこうむったときに、企業が現地政府を訴えて賠償金をとれるリスク回避のための制度であった。

 ところが、グローバル企業が外国政府に因縁をつけ訴えて,
巨額の金をむしりとり現地政府の法律までかえさせる道具に使われるようになった。
このような暴虐の道具になりはてたため、「毒素条項」とも呼ばれ忌み嫌われるようになった。しかし、本来の意図や使い方はそうではない。

 むしろ、ラオス政府が、今回使ったとしたら、そのほうがISDの本来の意図に近いものである。

  ちなみにラオスと世界銀行は関係が深く、世界銀行にとっては、ちゃんと開発をやって資金を返してくれる優等生・優良顧客である。ただ、現在の世界銀行総裁は韓国系米国人Jim Yong Kimであるから、えこひいきの危険もあるが、ラオスが正当な賠償を得る方法のひとつであろう。



posted by 山科玲児 at 08:24| Comment(0) | 2018年日記
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