この本で、一番気になり、とても違和感があるのが、
【三国同盟 昭和15年】
【昭和21年3−4月に聴き取り】
>同盟論者の趣旨は、ソ連を抱き込んだ、日独伊ソの同盟を以て英米に対抗し以て日本の対米発言権を有力ならしめんとするにあるが、一方独乙(ドイツ) のほうからすれば、以て米国の対独参戦を牽制防止せんとするにあったのである。
>
>
この「ソ連を抱き込んだ、日独伊ソ」ってところですね。そもそも、何年も前に「日独伊」「防共協定」をやっていたはずですからね。共産主義のソ連と同盟するって、、おまけに、そのあと
>1941年6月22日3時15分、ドイツ軍は作戦名「バルバロッサ」の下にソ連を奇襲
でしょ。
でしょ。
昭和帝の耳に入った「同盟論者の趣旨」が こういうものだったということは、当時の日本の指導層の大きな部分が、全く世界情勢・情報に疎い、めくら同然であったのか、共産主義者が入り込んでいて、日本を敗戦革命しようとしていたかということですかね。北一輝の綱領も天皇をいただいた共産革命であって、まあシアヌーク殿下をいただいたクメール・ルージュ政府のようなものでしたから、軍内部にもそういう勢力はあったんでしょうね。
そのあと、結局、三国同盟やったわけですから、このような「同盟論者」が主導権をとったということでしょう。
また、
>
日米戦争は油で始まり油で終わったようなものであるが、
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と書いてあるのですが、
じゃあ、なんで ハワイの真珠湾なのか、当時既に大油田が開発されていたオランダ植民地 スマトラや東カリマンタンを侵略して石油を確保することをやるのが先決でしょう。普通考えて。
しかも、当時インドネシアを植民地にしていたオランダは、ドイツに本国が占領されていた状態でしたからね。
ほんとに、どうしてでしょうね。
参謀本部の作戦は真珠湾ではなく、ミクロネシア・フィリッピンラインでくいとめるというもので、真珠湾攻撃は山本五十六の独断だったそうですが、まったく不可解なことです。 真珠湾攻撃のとき、ハワイの石油燃料備蓄基地は手もつけてない。破壊も接収もしていないというのも、本当におかしなことです。
真珠湾は、戦術的には勝利だが戦略的には敗北だといわれるのも、もっともなことだと思いました。