昨日、言及した大倉集古館 の巨大な漆器は、まだ、
東京国立博物館のアジア・ギャラリー(東洋館)に展示され続けているようなので、
九州国立博物館でのオークラ・コレクション展には出張しないようである。
夾紵大鑑(きょうちょたいかん)
展示すれば、そうとうインパクトがあると思うのだが、やめた理由は、東京国立博物館との契約の問題か? 移動中に壊れる心配が大きすぎるためか? はよくわからない。
これは、夾紵(きょうちょ) つまり乾漆 張り子つくり、の漆器である。まあ、こんな大きなものは、大木を削って漆器の素地・器胎にするわけにもいかないだろう。張り子といっても実物を観たところでは布だけでなく竹や木材の薄い板も使われているようにみえた。 あるいは、修理部分がそうみえたのだろうか??
いずれにしても、ここまで大きな乾漆器というのも珍しい。
1980年ごろに、田口善国(1923-1998) という人間国宝にもなった漆藝家が復元修理したものらしい
こういう発掘ものの古代漆器は、なんらかの修理しないとこわれてしまうのが普通なので、脱水・修理などはしないわけにはいかないものなのだが、そのときどういう処理をしたかでかなり印象が違うことになる。