2018年08月24日

京都国立博物館の熹平石経

喜平石経 易 白堅.jpg

漢時代末期につくられた熹平石経(きへいせっけい)のこと、ちょっとひっかかったので、検索してみたら、
なんと、京都国立博物館に、熹平石経の大きな現物、石の塊があることがわかった。

館蔵品データベース  京都国立博物館  Kyoto National Museum
作品名
熹平石経
厚16.5cm 
台帳番号
J甲302

実物みたことないし、写真も小さいので、偽物かどうかはわからないし、偽物だったら、どうしようもない。しかし、これだけおおきな喜平石経というのは珍しい。台東区書道博物館にあるイメージのような小さな断片ですら珍重されるのだから、これだけ大きいものがなぜ注目されないのだろうか? やっぱり偽物なのかなあ。。。

 京都岡崎にある藤井斉成会有鄰館の断片は比較的大きくよく知られているが、これほど大きくはない。

北京の国家博物館に展示・公式サイトで紹介されていて、画像がウィキペヂアにのっている断片だってもっと小さい。


どうも、これは、張彦生 善本碑帖録 に掲載された漢石経春秋  というものかもしれない。ただ、行数があわないように思える。。「原石  行方不明」となっている。 そうなると、本物らしくも思える。。

また、淑徳大学に、両面の拓本が所蔵されているようにもみえる。これも写真みてないので、あて推量に過ぎない。。
目録(PDF
にみえる、下記がそうらしい。。淑徳は西林昭一先生の尽力で優秀な拓本を収集している。
154 熹平石経<春秋20行>残石 熹平4年3月〜光和6年(175〜183)
軸196079
155 熹平石経<公羊伝18行>残石 軸196080


そもそも、これは、どの経書なんだろう? どうも1面は年号があるので、春秋じゃないかと思う。ちょっと検索したら
劉敞『春秋傳』第十 襄公上  に似た文があるので春秋には違いない
また裏は、春秋公羊伝 僖公元年  のようだ。

京都国立博物館の中国金石って、あまり展示されてないので、皆知らないのかもしれないなあ。。

 ちなみに京都国立博物館には、魏の三体石経原石断片もあるみたいだが、こちらは大きな断片が各地にあるので、それほどは珍しくない。







posted by 山科玲児 at 08:08| Comment(0) | 2018年日記
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