に全面的に依って書いているようだ。
まず、真筆20点の選び方が、全く同じである。これはベルギーオランダの研究者を中心とするBRCP(Bosch Restauration and Conservation Project)
の総カタログとも違う。BRCPが真蹟としている「ブリュージュの最期の審判」がはずれているし、BRCPが否定してプラド美術館と衝突した「聖アントニウスの誘惑」「愚者の石の切除」「七つの大罪」が入っている。また、同じくBRCPが工房作としたボイマンス美術館の「大洪水」も入っている。
謎解き ヒエロニムス・ボス (とんぼの本)
の当方のamazon書評
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と
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2015年10月27日
ボッスの本の書評 補足
ボッスの本の書評 補足
で、疑問を呈した点のほとんどが、このフィッシャー本のカタログ部分に出ていた。
さらに ウイーンの「最期の審判」の注文主に関する近年の説やリスボンの「聖アントニウスの誘惑」が1872年3月にスペインから来たという資料を掲載していないことも共通している。
また、47−53Pの「放浪者」「愚者の船」「寓意」「守銭奴の死」のセットの失われた中央画面を「カナの結婚」とする見解も同じだ。ちなみに2016年プラド美術館のボス展カタログでは、その見解は定説ではないと書いてある。
私は、「謎解き ヒエロニムス・ボス 」(とんぼの本)はBRCPの研究論文をもとに書いていたのかと思っていたんだが、全く違っていて、単にフィッシャー本をうのみにしていただけだったのだ。ただ、本の中で、「編集部」の文責になっているところも多いので、必ずしも小池氏のせいとはいえないかもしれない。