2018年09月15日

ヒエロニムス・ボス巡礼は無理

謎解きヒエロニムス・ボス.JPG




は、フィッシャー本に従って、20点を真蹟としてあげて地図に書いたりしてますが、これで20点全点制覇を志したりするのは止めたほうがいいと思いますよ。まだまだ変わるから。

 その点、フェルメール巡礼で制覇なんかのほうが、まだ良くて、2,3点ぐらいしか動かないと思います。でも、ヒエロニムス・ボスの場合は大幅に変わることがありますから、どうもね。フェルメールの場合は、50年ぐらいで代表作が大幅に入れ替わるってことはないでしょ。

 ヒエロニムス・ボッスの中核作品で、50年ぐらい変わってないものは、
  ◎快楽の園 プラド美術館
  ◎聖アントニウスの誘惑 リスボン
  ◎東方三博士の礼拝 プラド美術館
  ・放浪者 ボイマンス
  ・愚者の船 ルーブル
  ・守銭奴の死 ワシントン  ナショナルギャラリー
  ・この人をみよ フランクフルト
  ・聖ヒエロニムス  ゲント
  ・パトモスの聖ヨハネ  ベルリン
  ・洗礼者ヨハネ  マドリード  ラザロ  ガルディアーノ
  ・彼方4面セット ヴェネチア
  ・磔刑図 ブリュッセル

特に◎つけた3点は不動です。
  ちょっと議論はあるけどだいたい真蹟とされてきたもの、学者によって大きく評価が違う作品、過去に代表作とされていたのに、今は異論があったり、明らかな「模写」に転落したものなど、いろいろあるんですよね。また、敗者復活というか、過去にいろいろいわれていたウイーンの「最期の審判」なんかは、現在はほぼ真蹟あつかいですね。
  こういう状態では巡礼で全点制覇 そのものが意味がないと思います。ゴールポストが動きまくるわけですから。



posted by 山科玲児 at 09:09| Comment(0) | 2018年日記
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