メトロポリタン美術館に1975年に入った
ハリー・パッカード コレクションは、日本で形成され、米国へ移った大きな日本美術のコレクションですが、なかなか個性的なものです。
このパッカードコレクションの展覧は、その後、日本であったという話はありません。
海外の日本美術コレクションの日本での里帰りお披露目点は、一時、そうとう多かった、バークコレクションのような著名なものだけでなく、ドラッカー コレクションなんかの展覧までありました。
METに入って以来40年以上経っているんですが、そういう企画があってもよいのではないかな、と思いました。
ハリー・パッカード氏(1914-1991)は最初は、敗戦後の東京でGHQ勤務しながら、Ledoux氏(Louis Vernon Ledoux (1880-1948)) を見習って250点に数を限るという方針で精選して、浮世絵を集めていたそうです。1点購入したら1点売却するというような方針でした。 その収集はその後事情があって日本で売却してしまったようですが、メトロポリタン美術館のサイトで検索すると、数点の広重、北斎などがパッカードコレクションとして入っているようです。手元に残したのか後年、また買ったものなのかはわかりません。
その中に名所江戸百景 王子 装束榎木、大晦日の狐火 というのがあります。
ハリー・パッカード氏の好尚がうかがわれる佳品です。
Foxes Meeting at Oji
イメージには、パッカードコレクションのものとは違う、平木コレクションの1枚をあげておきました。
Image Source:: 広重 名所江戸百景 リッカー美術館(現 平木浮世絵財団)、読売新聞社、狐火 1978dec