2018年10月22日

古美術と売掛金



日本人所蔵者、百済仏像に15億円要求…文化財庁長「高すぎる」
http://japan.hani.co.kr/arti/culture/31878.html

 というニュースがあった。かなり変なニュースであり、韓国政府の言い分しか出してない記事なので、裏読みしないといけない。 
 おそらく、日本の所有者(所有法人?)が、韓国政府の代金未払いを危惧したのがこの経緯の原因だろう、と当方は推測している。

 韓国政府が、最初にXXドル払うと言って、その後、現実に入金しなかったことは、結構報道されている。国際的な国家間の約束ですらそうなのだから、1私人・1法人に対する約束を反故にしたり、あとで値切ったりすることは、容易に想像できる。
  例えば、5億円で契約し、頭金1億円を払って確保しておいて、残金をいつまでも払わない、という場合も考えられる。

 それでも、1億円入金されたから、いいじゃないか?と思うのは、サラリーマンしかやったことのない連中の淺知恵である。
  その場合、残金4億円は「売掛金」あつかいになり、確定申告や税務署的には、旧所有者の所得あつかいになるのだ。つまり旧所有者が韓国政府に対する「債権」を得た、金を貸した、という形になる。
  そうすると4億円に対しても税金がかかることになり、おそらく1億円以上の税金を払わなければならなくなる。
 新聞・通信社・韓国政府が広報した以上は税務署も知っているから、旧所有者は脱税できない。
そうなると、入金1億円、税金1億円以上であきらかに大赤字である。更に、百済仏像を入手するために借金していたりすると、更に赤字が膨らむだろう。
  では、売掛金回収不可能を申し立てて、損失あつかいにできるだろうか? 普通の個人や会社相手なら、相手が自己破産したとか、死んだとか、倒産したとかいう事情があれば可能だろうが、国家相手では無理である。外国国家からとりたてできないという申し立ては、裁判でもおこさないと無理で費用も時間もかかる。
   だからこそ、15億円という、かなり高すぎる価格をふっかけて、円満な辞退を促したのだろう。
  三国時代の30cmぐらいもある金銅佛で、保存も良いものなら非常に高価なものだが、それにしても少し高すぎるように思う。この点では韓国政府の要望価格のほうが妥当な感じがする。
  オークションならオークション会社が入るので、入金がなかった場合は、取り消しになって、手数料は要るとしても、税金がかかることはない。また金を払わなかったほうも競売妨害・業務妨害になる。

  では、普通の企業間の取引は、どうやっているんだろう。億単位の取引なんて日常茶飯でしょう??
  それには、古くから約束手形 を使っている。最近では大企業はC/P(コマーシャルペーパー)を使っているようだ。約束手形を受け取った納品企業は、銀行へもっていって手形割引すれば、すぐ現金が入手できる。 手数料は取られるが。。
  つまり銀行が仲介・保証している。 よく、「手形が不渡り−>倒産」 という話があるのは、銀行がもっていた約束手形に記載された支払日に預金が十分なかった、という事態である。また、韓国企業との取引はどうなのだろうか? 輸出入業務は通常、取引銀行のL/C(信用状)で行う。L/Cがなければ商社マンは一歩も動けない、とされるほど頻繁に使われるものである。銀行同士で決済するので、こういう問題は、比較的おこりにくい。

 古美術は、どうしても個人や中小企業との相対取引になるし、高額商品のわりには口約束取引になりやすいので、こういうトラブルが起こりやすいのだろう。




posted by 山科玲児 at 07:20| Comment(0) | 2018年日記
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