2018年10月29日

豆腐の起源


  豆腐の起源については、伝説の淮南王 劉安が発明したという伝説は怪しい、という解説を読んだことがある。漢以後宋ごろまで、豆腐の記述が事実上ないからだ。

 一方、豆腐はチーズ造りの方法を豆乳に応用したものである、という説がある。これは、篠田 統(しのだ おさむ、1899- 1978)教授の説だそうだ。
  確かに、豆乳と牛乳は外見がそっくりだし、カッテージ・チーズを自作してみればわかるように 豆腐そっくりのやりかたでできる。まあ凝固剤は多少違うのだが、そこは練丹術以来の化学が介入したのだろう? 淮南王 劉安は、練丹術に成功して神仙になったという伝説があることと関係があるのかもしれない。、

  チーズ自体は紀元前4世紀より前からあるのは、永久凍土の下からスキタイのチーズの現物がでているので確かであろう (ref パジリーク遺跡 第二、第五墓)。

  そうすると、時代的には、漢時代に豆腐が発明されてもおかしくはない。しかし、考古学でも  文献でも、豆腐らしいものの記述がでるのは宋ぐらいからであるようで、900年以上のブランクがある。
  こういう日常的なものは概して記録に残りにくいものだから、記述がないから無いとはいえないが、確かになさ過ぎではある。そういう意味では、粉食(餃子、麺)などがどっと入ってきた唐時代中期以降という通説が正しそうだ。

REF.    S.I. ルデンコ パジリーク古墳の秘宝、「西域の秘宝を求めて」(加藤九[示乍]  訳  編)新現代社、1969に収録

タグ:チーズ 豆腐
posted by 山科玲児 at 09:15| Comment(0) | 2018年日記
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