2018年11月19日

渓風図と元人跋尾

渓風図巻 燕文貴.JPG



最近(2018年10月1日)、サザビーズ香港のオークションに出た  「渓風図 元人 跋尾」ですが、
これは、もと東京四谷在住の古美術商 程g[王奇]氏(1911-2002)のところにあったようです。
晩年、程氏はニューヨーク在住でした。

この本体の「燕文貴 渓風図」は真っ黒で、よくみえないもので、上のようなモノクロの粗雑なイメージしかありません。こっちも程[王奇]氏のところにあったようです。あるいは赤外線写真かもしれないね。このイメージでも結構稀覯だとおもいますので、紹介することにしました。オークションに出た跋尾と同時に入手したのなら繋げて売ったでしょうから、別々の機会に入手したのかもしれませんね。

この巻子がバラバラに切られたのは、1945年、日本敗戦後 ラストエンペラーの長春宮廷に残された書画が中国兵に破壊・略奪されたことが原因のようです。それが確信できるのは、跋尾の、もう一つの破片断片が1963年にハルビンから北京の栄寶齋(当時は文物買い取り処もやってた)にもちこまれたことからわかります。それはハルピンから古書画の断片の山を青年がもってきたという有名な話で、実際に立ち会ったした楊仁ガイが細かく記録しています。丁度、栄寶齋の奧で昼寝していた楊氏がたたき起こされたそうです。現在、北京故宮にある、もう一つの断片は、このなかにあったもののようですね。


posted by 山科玲児 at 10:00| Comment(0) | 2018年日記
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