2018年11月23日

時代錯誤

平家納経序品P1010459.JPG

2001年5月に出版された
を刀伊の入寇関係の記述をもとめて図書館でちょっとみたら、あっけにとられたのがカラー口絵だった。
平家納経 薬草喩品だったんだが、その見返絵「説法釈迦」が大きく印刷されてました。なんかさあ、この見返し絵まで平家時代のものみたいな印象を与えるものですが、一目みてわかるように、これは近現代のものです。

この見返し絵については、、
林  進氏の講演記録で、現状についてかなり細かく議論されてますし、薬草喩品の見返絵も紹介してます(PDF) この第3P

 昭和大修理(昭和31〜34 年)の際、制作された日本画家・安田靱彦(1884〜1978 年)の作品です。いくらなんでも、これはないでしょう。昭和大修理(昭和31〜34 年)では宇佐美氏がかなり乱暴な修理をやったので、植村和堂先生はじめ批判した方が多かったようです。

 こういう挿絵は編集者が調達してくるんでしょうけど、著者ももうちょっと気をつけないとまずいでしょう。講談社の編集者も相当変だねえ。第一、これ安田画伯の著作権消滅してないでしょ。トラブルにならなかったのかな? 2000年ごろの編集者って、私が会った人もかなり変だったからおかしなのが多かったのかな? 当然、私もイメージは出しません。。

  平家納経には、見返し絵も中身もオリジナルなものが結構あるんだから、なんでそれ使わないのかな。呆れました。例えばイメージは序品の見返しと端金具(右端部分)です。これは戦前の東京堂によるカラー影印からとりました。
Source REF. 世界美術図譜 日本編.  日本編第5集、東京堂、 1943/12



posted by 山科玲児 at 09:25| Comment(0) | 2018年日記
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]