2019年01月11日

東京国立博物館  東洋館で持世第一

持世第一s.JPG


 特別展にちなんで 東洋館でも展覧があるようです。重要なものは特別展のほうに出してることが多いので、多少手薄感が否定できません。しかし、これは1月2日からですから、もう既に展覧されてます。
  出品リストをみると

東京国立博物館 - 展示 アジアギャラリー(東洋館) 王羲之書法の残影―唐時代への道程― 作品リスト

定武蘭亭の呉ヘイ本のほか、書道博物館の西域出土写本を借りてきて展示しているようなのが目新しい。提携の成果だろうか。 この「持世第一」(イメージ) ってのは4行しかないのですが、昔は最も古い楷書の例として有名でした。リストには、南朝劉宋の元嘉という年号があるが、この紙自身には北涼の王の名と干支が書いてあるだけ。南朝の年号をいれる意味がよくわからない。筆者が「呉客」と自称しているので南朝の人だということだからでしょうかね?
  今はより古い楷書の例が発掘されているが、貴重なものには違いありません。出品リストには 1巻と書いてあるので長いもののように勘違いしやすいが、七種の断片をはりこんだ、巻物の一部であるので、こういう言い方になっています。これ、本には結構出てるのに、昔はあまり観る機会がなかったものです。私も二回くらいしか観ていないかなあ。。今回多くの人の眼に触れることを期待します。

  南斉  永明元年の歓普賢経、、これは本物だとしたら世界的にも珍しい南斉の記年経なので、重要文化財になってもおかしくないのだが、やや疑いがあるのだろうとおもっています。私も疑っている。通常の名前の観普賢経ではなく、歓普賢経になっているが、隋より前だと、経典名称に統一姓がないことが多いので、この点で疑っているわけではありません。これも二紙しかなく、四巻からなる龍沙開宝という巻物のセットのひとつに貼り込まれているものです。

 また、王献之など南北朝時代の有名人の名前があがっているが、これは皆、法帖拓本です。それも十二月帖や停雲館法帖掲載のもの(いわゆる萬歳通天進帖の中のもの)を除けば淳化閣帖掲載のもので王ジュの本によるとだいたい偽物偽筆とされているものです。 これはいかがなものか?



posted by 山科玲児 at 16:59| Comment(0) | 日記
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