2019年02月17日

高かった拓本


 団塊の無知な日本人老人が、日本の東博などで中国絵画などの展覧に触れて

 「略奪したものだ」
 「安く買いたたいたんだろ」

とかいってる例を何回か見ました。

 実は違うんだなあ。。
 今回、【公式】特別展「顔真卿―王羲之を超えた名筆」
    https://ganshinkei.jp/
で、出た  地味な拓本でも、とんでもない価格で買ってるんですよ。

 国際シンポジウム報告書「関西中国書画コレクションの過去と未来」
 http://www.kansai-chinese-art.net/report_of_symposium2011.pdf

 の68−70Pを読むと、当時の取引価格がわかります。
 顔真卿展ででてた孟法師碑の拓本は、中国所蔵家が得たのは約2万5千円でした。三井が買った価格は3万円以上、当時は小学校教師の初任給が50円ぐらいでしたから、現在の8000万円〜1億円ぐらいですね。

  他の拓本も名品クラスなら数千円〜1万円(〜約3000万円)ぐらいですからねえ。意外に安いのが旧拓争座位帖(高島コレクション)で300円(100万円ぐらい)といっても結構なお値段で、私には、易々とは手がだせないだろうな。顔真卿展の最初に出てた書道博物館所蔵の泰山刻石拓本も2万円(6〜7000万円)ぐらいだったんだろうね。ここで、中間に立った日本の業者が暴利をむさぼり、中国人蒐集家は安値で手放したとかいうストーリーをつくるヤツもでてくるでしょうが、文書を読むとそういうことはない、まあ普通に商売やってることがわかります。また中国商人も活躍してるしね。





posted by 山科玲児 at 12:14| Comment(0) | 日記
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