2019年05月06日

Transition期 と オランダでの東洋磁器収集


17世紀オランダ美術と〈アジア〉 2018年11月30日発行
https://honto.jp/netstore/pd-contents_0629341252.html
で、
オラニエ=ナッソウ家の磁器収集と陳列の諸相 (櫻庭美咲)

を読んだあと、ずーーと気になっていたのが、オランダの国王(称号は総督ですが)の妃

Amalia of Solms-Braunfels
https://en.wikipedia.org/wiki/Amalia_of_Solms-Braunfels
が東洋磁器を収集したのが、西欧における中国陶磁の分類でいうPeriod of Transition/ Transitional Periodという時代だったことである。
この王妃は、Gerrit van Honthorstによる家族肖像(ライクス美術館)の真ん中にいる
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Gerrit_van_Honthorst_-_Frederik_Hendrik_met_familie.jpg

このPeriod of Transition/ Transitional Periodという用語は西洋ではよく使われ「Transition」というだけであああれね、という感じで通じるようであるが、日本ではあまり使われない。欧米に仕入れにいくことが多い古美術商なんかは、ときどき使うようだ。
Transitional Porcelain (wikipedia)

Jenyns, Soame; Later Chinese Porcelain: The Ch'ing Dynasty (1644–1912), Faber and Faber, London によると1620-1682であり、景徳鎮官窯に蔵応選が任命された年を下限としている。いわゆる 明末清初で、景徳鎮官窯が事実上停止した時代である。

中国陶磁の年代感では、どちらかというと衰退期のようにみえる時代に盛んに収集されていたということは、不思議な感じがする。この時代のオランダむけ輸出磁器の実態は、コンダオ・カーゴ/別名ブンタオ・ カーゴ(VungTau  Cargo) と呼ばれる沈没船引き上げ磁器で、ある程度は想像できるが、既にそうとう欧州むけのデザインになっているようだ。

「1680年代にオランダ静物画から東洋陶磁器の描写が消滅する、」という指摘(幸福  輝 氏)もあって、これとPeriod of Transitionの終わりがリンクしているのに、なにか意味があるのかどうか?と考えてしまう。

官窯は停止しても、民窯は盛んに輸出に励んでいたのかもしれない。日本にもこの時代の中国陶磁は多い。



posted by 山科玲児 at 09:21| Comment(0) | 日記
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