画家のサインという習慣がどこまで遡れるものか、古い時代の画家のサインの意味は、現代のものとは違うのではないか? という疑問を長年もっていたし、今も謎だ。
2016年09月09日 ボス展のカタログを読む その10 サイン
http://reijiyamashina.sblo.jp/article/176808703.html
http://reijiyamashina.sblo.jp/article/176808703.html
でもコメントしておいた。
ただ。
古代ギリシャ・ローマの本: アテナイオス 食卓の賢人たち5(邦訳本の巻数)を読んでいたら、面白い記述があった。 第15巻(古典学でいう引用箇所指定では687b)
画家のバラシオスが「リンドスで描いた絵にこう詩が讃として添えられているのだ。『贅沢に生き、かつ徳を敬うバラシオス、これを描く。』」
これは、明らかに、絵の上なりそのわきなりに書いた自画自讃・サインである。
ひょっとしたら、自画自讃の最古の記録かもしれない。古代の画家の意識がヤン・ファンアイクとあまり変わらないのが不思議である。
イメージはマケドニア王家の墓所の壁画の一部
ソース:
Manolis Andronikos , Vergina: the Royal Tombs, 2004
Manolis Andronikos , Vergina: the Royal Tombs, 2004