2019年05月26日

この印はないだろう?

freer1 seal.jpg



香港の、Orientations Vol 59 No.2 March-April  2019
で、https://www.orientations.com.hk/backissue/volume-50-number-2/

あの軽信で、なんでも褒めまくるリチャード・バーンハートが
フリーアにある古い花鳥画2点について、北宋初期の「趙昌」にあてる論陣をはっている。
Richard M. Barnhart. An Enigmatic Seal and Three Song Flower-and-Bird Paintings

その根拠としてイメージの印をあげているのだが、
ふざけてんのか!
といいたくなる。

確かに、こういう遊戯的な印を明時代後期〜清代前半にみることはあるが、北宋はないだろう。
第一、「趙昌」の作品は北宋末の宣和画譜でさえ、現在購入することは難しい、と書いてあるんですよ。

ただ、この絵
https://www.freersackler.si.edu/object/F1919.154/
が何時の時代のものなのか?ということはまた別問題で、結構古い感じもする。
こういう花鳥画の作品の場合、山水画ほど時代による様式変化が大きくないので、なかなか難しい。どうしようもないものと、結構いけそうなもの、南宋ぐらいといっても良いものが連続的につながっているので、カラー写真だけで実物をみないと、初歩的な見解ですら、なかなか難しいと思っている。

posted by 山科玲児 at 15:12| Comment(0) | 日記
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