2019年05月30日

米国製のヴィオラ



  トランプ大統領が今上天皇陛下に贈ったのは、1938年制作の米国製のヴィオラだそうだ。最近、ストラディヴァリウスなど古いヴァイオリンなどのことを、読んだりしていたし、マドリード王宮で、象嵌細工が美しいストラディヴァリウスの1群を観たことを思い出したりしていた。そういうイタリア・ヴァイオリンかと思ったら、米国ウェスト・ヴァージニア製だった。州都チャールストン在住のIvan W. Allison という人が制作したものだそうだ。それほど高価な楽器ではないようである。

  これは、むしろトランプ大統領とそのスタッフたちのメッセージなのだろう。アメリカ・ファーストでありメイド・イン・アメリカの尊重・復興を目指してます。ということでもある。そういう意味で極めて政治的意味が込められた贈り物である。

 このヴィオラの由来だが、米国国務省に売ったヴァイオリン専門店からのメッセージまで米国では報道されている。
Slipped Discの記事
https://slippedisc.com/2019/05/where-president-trump-bought-a-viola-for-emperor-naruhito/
原文は、記事に掲載されている。

  先帝の御譲位・今上の御即位の5月1日に、アーカンソーのヴァイオリン専門店Little Rock Violin Shopが米国国務省(日本でいうと外務省)から電話を受けて外交贈答品に使う「米国製のヴィオラ」を探して欲しいと依頼されたそうだ。

  しかし、ニューヨークやボストンやワシントンの店でなくて、アーカンソー?というのも不審に思ったが、この店、結構コンセプトがあり、しっかりしているところのようである。
Little Rock Violin Shop
https://www.littlerockviolinshop.com/

>一般的な楽器店のように、楽器を売るだけではなく、我々は貴方の楽器を生涯めんどうをみます。我々の熟練した修復技術者は、貴方の楽器を最高のコンディションで演奏できるように複雑な修復や調整をいたします。


と「ABOUT(自己紹介)」のところに書いてある。

  これなら、少なくとも偽物や、本物だが状態が悪くて演奏に堪えないような楽器をつかまされることはまずないだろうから、安心して外国の要人にも贈れるということだろう。しかし、この店の写真をみると、米国人が米国らしい生活と考えているイメージが、なんとなく覗われるように感じた。

 もともと、こういう外交贈答品というのは古美術的な観点からは意外に貧弱なものが多いことは、
  2019年04月17日 田中角栄がもらった楚辞集注
   http://reijiyamashina.sblo.jp/article/185872428.html
でも、書いた。これは「現在」の自国の国力や文化を誇示するものを贈るわけだから、そういうものになりがちなのだろうと思う。


posted by 山科玲児 at 06:49| Comment(0) | 日記
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