2019年06月12日

印刷本への手書き装飾 その1



ウィーンのアルベルティーナでのデューラー展.
https://www.albertina.at/en/exhibitions/albrecht-duerer/
にでてる
https://www.nga.gov/collection/art-object-page.75783.html
ですが、
これは、Aldus Manutiusが1496年にヴェネチアで印刷刊行されたギリシャ語の本(テオクリトスのIdylls and other
texts)の上に絵や装飾模様を描いたものです。それが、いわゆるアルドス版の本の上に絵を描いたというものなんですね。
  Pirckheimer細密画とされるもので、ほぼ同じ年齢のニュールンベルグのお金持ちの蔵書家 Willibald Pirckheimer (5 December 1470 – 22 December 1530)がデューラーに頼んだということになっておりますが、総カタログでは疑わしい作品ということになっているので、デューラーのまわりで制作されたのかなあ工房作品?ですかね。なんかのんびり風です。1496年よりは後なんですが、1504年という推定もあるようです(ref)。
  大英図書館が売ってしまったというのも、案外、「疑わしい」ということに嫌気がさしたのかもしれません。Pirckheimer細密画は他にもあるようですし、他の本アリストテレスやイソップなどに入れた絵もあるそうで、各地の図書館に分散しているようです。
 こういう印刷本へ手描きでイラストを入れるというのは、この時代に意外に多いようです。特にモノクロの木版画に彩色するというようなもの、章頭の華麗なイニシアルを手描きでいれるもの、など結構あるようです

REF. Angela Ottino Della Chiesa,  Tout L'oeuvre Peint De Durer, Flammarion, 1969, Paris

posted by 山科玲児 at 08:14| Comment(0) | 日記
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