海外の美術館まで苦心していったあげく、肝心の観たい作品が展示されていないというのは、まことに口惜しいことです。私にも何度もそういう苦い経験がありました。ウフィッチィでもベッリーニの「アレゴリー」が貸し出しだったりしましたしね。貸し出し、修理中、展示スケジュールの問題などいろいろ美術館側にも事情はありますでしょう。日本や中国の書画の場合は展示していないことのほうが普通なので事前調査をちゃんとやるんですが、西洋絵画の場合は壁にかけっぱなしという先入観があるのでつい油断してしまうのです。
そういう危険を考えると、事前に展示されているかどうかを知ることが、重要になります。
アムステルダムのライクス、ロッテルダムのボイマンスは、サイトで個々の作品について、今展示しているかどうか、表示しているようです。ちなみに、東京上野の西洋美術館も表示してますね。
2019年06月15日 ブリュッセルのクリヴェッリ
http://reijiyamashina.sblo.jp/article/186141257.html
で、書いたように、ブリュッセルのクリヴェッリ作品が展示されていないようなので、ブリュッセルの王立美術館(イメージ)のインフォーメイション担当者にメールして問い合わせてみました。
ご返事によると、現在展示はしていないとのこと。で、個々の作品の現時点での展示状況については、
収蔵品のデータベース(フランス語)
http://www.opac-fabritius.be/fr/F_database.htm
で検索できるようです。
例えば、これで、画家名 Jacques-Louis Davidといれると
数点でてきて、そのなかで有名な「マラーの死」をクリックして、詳細をみます。
そうすると、末尾に
Localisation [Gresham]
[Salle 55]
と展示場所がでてきます。これがでてこないものは、展示されていないということだそうです。
最近の日本で開催された「ルーブル美術館展」で展示された「マラーの死」は、これの模写だそうです。でもダヴィッドの工房での模写だとしたら、あまり遜色はないのではないかと思います。
ちなみに、この美術館は収蔵品が多彩多量で、思わぬ佳作もありますね。
例えば、
Edward Coley Burne-Jones
といれると、プシュケーの婚礼
がでてきます。これは、地下フロアの世紀末美術館で展示中
Localisation [Puits]
[Musée Fin-de-Siècle Museum (niveau -7)]
と書いてありますが、なかなかの傑作でした。これは1966年のサザビーズのオークションで買ったもののようです。意外に最近の購入なんだな。