6月2日に終わってしまっているので、旧聞になってしまっていて、恐縮なんですが、岩手の盛岡で太田夢庵コレクションの展示があったようです。
風雅好古〜太田夢庵の金石収蔵・研究と文人の世界〜 イベント情報プラットフォーム「エンジョイいわて」
https://enjoyiwate.com/?p=2444
このコレクションには興味があって、平成2年、盛岡まで行ったとき観に行ったことがあります。そのとき買ったのがイメージの薄い図録で、今回の図録ではありません。今回はもう少し厚い図録が出版されたようです(通販で購入予定)。
太田夢庵という人は、岩手の実業家 蒐集家で、昭和前期の中国古銅印の蒐集家としては、日本では五指に入る人でした。旧版平凡社書道全集印譜篇(線装本)では、藤井家、大谷家、大西家、林家、園田家と並んで多量収録されています。研究家としてもそうとう傑出したかたでした。河出書房 書道全集印譜篇では、堂々たる解説を書いておられます。古銅印譜挙隅という古銅印譜批評の本があって、しかしなんというニッチな分野でしょうか、、その道では現在でも尊重されております。なんと、中国の天津人民美術出版社で2017年末に再刊されています。まあ漢文だから、翻訳しなくてもいいのかなあ。。日本版は高いし繁体字版だから天津版のほうが入手しやすいかもしれません。しかし、なんか皮肉ですね。。。
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このコレクションには興味があって、平成2年、盛岡まで行ったとき観に行ったことがあります。そのとき買ったのがイメージの薄い図録で、今回の図録ではありません。今回はもう少し厚い図録が出版されたようです(通販で購入予定)。
太田夢庵という人は、岩手の実業家 蒐集家で、昭和前期の中国古銅印の蒐集家としては、日本では五指に入る人でした。旧版平凡社書道全集印譜篇(線装本)では、藤井家、大谷家、大西家、林家、園田家と並んで多量収録されています。研究家としてもそうとう傑出したかたでした。河出書房 書道全集印譜篇では、堂々たる解説を書いておられます。古銅印譜挙隅という古銅印譜批評の本があって、しかしなんというニッチな分野でしょうか、、その道では現在でも尊重されております。なんと、中国の天津人民美術出版社で2017年末に再刊されています。まあ漢文だから、翻訳しなくてもいいのかなあ。。日本版は高いし繁体字版だから天津版のほうが入手しやすいかもしれません。しかし、なんか皮肉ですね。。。
図録としては、古代文字のある陶磁片の拓本を影印した「夢庵蔵陶」というものがあります。どうも陶磁片自体は、北京の周季木のコレクションから購入したものではないか??という感じをもっています。季木蔵陶と夢庵蔵陶でかなり共通のものがあるようです。実押の古銅印譜は当然あるのですが、稀覯で高価なので、なかなか閲覧する機会はありません。夢庵蔵印、楓園集古印譜など名前だけは知っておりますが、、むしろ前記 書道全集や今回の図録で古銅印コレクションの全貌を覗うほうがよいかもしれませんね。
また、昭和28年ごろ、 黒田家の金印を国宝指定するときに、偽物説がわき起こったのですが、太田夢庵氏は、堂々と緻密で学問的な反論をしており、国宝指定の背景になりました。
21世紀初めにも、金印偽物説というのがあって、なぜか古文書学者がトンデモ本(ref)を書いているのですが、いいかげんにしてほしい。文物考古関係からは本物説、古文書学者からは偽物説がでるというのは、どういうことなのか不思議ですね。
REF 金印偽造事件−「漢委奴國王」のまぼろし 三浦 佑之
また、昭和28年ごろ、 黒田家の金印を国宝指定するときに、偽物説がわき起こったのですが、太田夢庵氏は、堂々と緻密で学問的な反論をしており、国宝指定の背景になりました。
21世紀初めにも、金印偽物説というのがあって、なぜか古文書学者がトンデモ本(ref)を書いているのですが、いいかげんにしてほしい。文物考古関係からは本物説、古文書学者からは偽物説がでるというのは、どういうことなのか不思議ですね。
REF 金印偽造事件−「漢委奴國王」のまぼろし 三浦 佑之