2019年08月07日

ガット弦


 バロックチェロのエキスパート:懸田 貴嗣 先生の、福岡での演奏会・講演会で聞いて、目が開いたことだが、チェロやヴァイオリンが全面的にスチール弦になったのは、なんと第二次世界対戦後、ハイフェッツのころからだという。つまり20世紀前半まではガット弦のほうが使われていたというのだ。
 なんか19世紀ごろからガット弦が駆逐されたようなイメージをもっていたが、全く間違いだった。ワーグナーもリヒャルト・シュトラウスもガット弦で演奏していたのだ。

 そうなると、1910年代ごろのドルメッチによる古楽復興とガット弦は関係がなくなるのでは。。

 また、「ガット弦の優雅な音色」を売りものにしていた コレギウムアウレウムのスタートは、1962年である。 スチール弦による征服完了が1950年ごろとしたら、10年強しか離れていない。そうなると、1970年代ごろに、ガット弦演奏、古楽演奏にあれほどの悪罵を投げつけていた評論家たちもひょっとしたら、若いころ教室でガット弦で練習したり、ガット弦演奏を聴いたりしていたのかもしれない。

 また、第二次世界大戦によってガット弦製造職人で亡くなる人が多く、大打撃を受けたためだという説も講演会で聞き知った。
 第二次世界大戦の惨禍が 演奏様式の記憶 常識に及ぼした影響は、意外に知られていないのかもしれない。

posted by 山科玲児 at 16:17| Comment(4) | 日記
この記事へのコメント
ガット弦、別に普通じゃないですか?
ちょっと前までは初心者はスチール、中級者くらいからガットというイメージでしたが・・。
E線(一番細いやつ)だけは、あまりにも切れやすいのでスチールを使うのが一般的です。
https://yhcp.jp/violin/violin-string/
近頃はナイロン弦が主流になりつつあります。
https://www.kappa-viola.com/entry/violin-strings-review

ガット弦の製造。
https://www.youtube.com/watch?v=1SHerqxXsZ0

ちなみに弓や松脂も奥が深いです。
安い弓はカーボン製が幅を利かせてきました。
Posted by 弦楽器マニア at 2019年08月10日 13:15

>弦楽器マニアさん

コメントありがとうございました。
Posted by 山科玲児 at 2019年08月10日 16:15
いずれにせよ戦後に「全面的にスチール弦」というのは、事実ではありません。
http://kazukingband.hatenablog.com/entry/20150918/1442559461
もう少し慎重な記事をお願いします。
Posted by 弦楽器マニア at 2019年08月11日 01:00

>弦楽器マニアさん
>
金属弦とガットの併用も少なくないようですね。
有名ヴァイオリニストの使用弦を拝見しましたが、やはり金属
が多いようにみうけました。
 1970年代には、ガット弦演奏に対して偏見に満ちたクラシック評論家の言論があったのですが、当時もガット弦が盛んに使用されていたのなら、いったいあれはなんだったのだろう??と思っております。

Posted by 山科玲児 at 2019年08月11日 03:27
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: