2019年09月29日

ヴィヴァルディ声楽曲のヴァージョン

失われた手稿譜.jpg

サルデッリ氏の「失われた手稿譜」
http://www.webmysteries.jp/topic/1803-04.html (東京創元社のサイト)
の、BGM 基調メロディ になっているのが、
アントニオ・ヴィヴァルディの『幸いなるかな』の第9曲「正しき者は、とこしえに記憶され」 です。

詩篇111 Beatus Dir(主を畏れるものは幸なり)の一部
In memoria aeterna erit justus (正しき者は永久に記憶される)

ですが、実はこの曲3つのヴァージョンがあるようです。昔は4つあったらしいが1曲がなくなったようです。
Wikipediaでもイタリア語版でないとよくわからないのですが、、

https://it.wikipedia.org/wiki/Composizioni_di_Antonio_Vivaldi

RV597  二重合唱
RV598
RV599  亡失
RV795  soprano, 3 contralti, coro a 4 voci miste, 2 violini, viola e basso continuo

どうも、サルデッリ氏自身が「女声三人のヴァージョンのほうが心に沁みる」と書いていたそのヴァージョンがRV795のようです。
ただ、カタルーニャ語版wikipediaが無闇にこの件では詳しく、
RV598もソプラノ人、コントラルトの女声、4声合唱と書いてありました(Per a dues sopranos, contralt, cor (4 veus), corda i baix continu en si bemoll major)。 なので、サルデッリ氏が言っているのは、どっちかはよくわかりません。Youtubeなどで色々聴いてみたら、このRV598は8分ぐらいの短い曲で In memoria aeternaは入っていなかったようです。

  演奏によって、イメージが違うようにみえたのですが、実は曲そのものが違っていた。まあヴァージョンや調性や編成の違いぐらいで、大きな違いはないとおもうけれど、同じ曲だと思っていたら、そりゃ違和感があるわな。前、合唱の演奏は、編曲だろうと思ってたんですが、実はヴィヴァルディ自身のRV597 だったんですね。

この女声3声:RV795の演奏が、
Vivaldi - Beatus Vir RV 795 - Les Agremens - Leonardo Garcia -Alarcon
https://www.youtube.com/watch?v=3NHmH3W-6aU
0:01-4分10秒

これで聞くと女声としては異常なくらい低い声域を要求しており、女声テノールができる歌手じゃないと歌えないのではないか、と感じました。アラルコンは、ここでは、男性ソプラノ、2人のメゾソプラノ(そのうち一人はテノールまで歌える逸材)を使っています。

アレッサンドリーニは、女声だけで歌うのは難しいと思ったのか、
リナルド・アレッサンドリーニのライブ
https://www.youtube.com/watch?v=xja2Kq2mLd0
14m20s-18m33s
では、男性二人 女声1人でやっています。ただ、やはりちょっとアラルコンのほうが良いようですが、普通、演奏するときは、やはり男のテノール使はざるを得ないのかもしれませんね。


posted by 山科玲児 at 06:45| Comment(0) | 日記
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]