2019年10月14日

巻子本の太巻に新考案


 知人の丸山猶計氏が、書学書道史学会の会報37号(今年5月)に書いていたことだが、修復の関係者には、知ってもらったほうがいいことかもしれないので、言及しておく。

国宝重要文化財クラスの巻子本を修理するとき、軸を太いものに替えて、本体への負担を減らすことがあったが、これには副作用がある。本来の軸が分離してしまうためバラバラになりやすいし、場合によっては軸が紛失してしまうことさえあったらしい。それで、今は

丸山>円筒形を横に2つに割った中に元軸を収める構造が一般的
だそうである。

ただ、
丸山>太巻き軸が接する元軸の付け根数ミリには、必ず縦に巻癖がつく

これを回避するために、

丸山>太巻き軸を元軸に合わせてくりぬき、くりぬいたところからガイドとなる紙をつけて元軸を安定して巻き込むことに成功した

そうである。どうも詳しいやりかたがよくわからないのだが、九州国立博物館の紀要に、修理業者「宰匠」の論考として発表されているらしい。有用で安全な手法なら普及したほうがいいと思うので、ここに書いておくことにした。丸山猶計氏は今は東京国立博物館勤務である。


posted by 山科玲児 at 11:17| Comment(0) | 日記
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