2019年10月30日

化石と古代ギリシャの沈没船


黒海の海底2000mに沈んでいる二五〇〇年前の古代ギリシャの沈没船が驚異的な保存状態で2018年にみつかったそうだ。
https://www.theguardian.com/science/2018/oct/23/oldest-intact-shipwreck-thought-to-be-ancient-greek-discovered-at-bottom-of-black-sea

 まさに黒海を航海したアルゴノーツ アルゴ船というのは、こういうものだったのかもしれないと思ったものだ。
なんで保存がよいのかというと、黒海の海水は150mより深いところでは、無酸素状態になっているためだという。太陽光のささない無酸素の海底では、嫌気性細菌をのぞけばほとんどの生物が生活できない。木造船を食い荒らす虫たちもいっさいいないわけである。

この黒海が表面を除いて無酸素状態であるということは、昔読んだことがあり(Ref)、それなら、海底に沈んだ動物・人間も皆 そのままに化石となって何万年先に発掘されるだろう、、とか思ったことがある。しかし、これはもっと近い時代、とはいえ2500年前だが、の遺物が発見されたようだ。

この黒海の底に酸素がない、というのは黒海の水を上下に入れ替える水流がないからである。黒海の出口が狭く、奥が広い状態なのが一因らしい。しかし、それなら地中海はどうなのか?という疑問がわく。

どちらにしても、黒海が100万年後に陸地になったりしたら、その海底堆積物は化石の宝庫になっているだろう。

そして、未来の学者は、黒海の周りの生物層や収集遺物がこの時代の生物圏
ホモ・サピエンシスの生態や文明を代表するものだと思いこむだろう。

 過去からの情報というのは、どうしても、こういう狭い窓を通してみるほかないということを、常に念頭におかないといけないと思う。

Ref 蒲生俊敬、日本海の底層は無酸素化けする!?、科学、vol.70, No.5, 2000年5月、岩波書店、東京
posted by 山科玲児 at 09:08| Comment(0) | 日記
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