兵庫の黒川鼓文か研究所の展覧会の紹介記事が東方書店の宣伝紙「東方」の前の号に出てました。
第122回展観「秦漢遺宝 ―器物に込めた願い」
会 期 2019年10月12日(土)〜11月24日(日)
http://www.kurokawa-institute.or.jp/publics/index/18/
チラシの表に大きくでている酒樽の蓋の内側に鳳凰の絵を絵の具で描いてあります。その絵が公式サイトの上に背景になって使われています。
内側に絵の具で描くということは、実用性がまるでない。酒に絵の具が溶けだしてしまうから。この展覧会に泉屋博古館から借りてきた同じような酒樽の例では、内底のほうにも絵を描くようです。内底なら常に酒に接するところなので、なおさら問題です。
ただ、この金メッキ施した青銅器自体は王侯貴族が使う実用を考えて作られているようにもみえます。とすれば、実用のものを副葬品として埋葬に使うときに、こういう絵を描いてなにかのまじないにするという慣習があったのではないか、と思います。こういう内側に絵の具で鳳凰を描いた同型の青銅器は何点もあります。
イメージに使ったのは、天理参考館にあるもの。写真著作権消滅済み。
イメージソース 水野、漢代の絵画、平凡社、1956