芝崎みゆき さんの古代文明 解説・旅行記はすべて手書き文字であり、300p、250pという厚みの、びっしり文字と絵が入っている本が、すべて手書きなのには驚嘆する。
例えば、、
芝崎みゆき、マヤ・アステカ遺跡へっぴり紀行 : メキシコ・グアテマラ・ホンジュラス・ベリーズの旅
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784794217639
しかしながら、こういう手書きの様式というのは1970年代末ぐらいのマンガ同人誌、タウン紙、旅行ガイド、観光地地図などで 少なくなかったと思う(イメージ)。
柴崎さんは1965年ごろ生まれというから、そういう伝統の延長線にあるのだろうか? 書体もいわゆる丸文字系である。
実際、みっちりつめて書く場合には、こういう向勢の丸い文字のほうがよいのは、小字麻姑仙壇記(下イメージ)にみるとおりである。
実はこの文を書くときに、古い時代の手書き文字をみたくて、戦後すぐ、貸本時代の水木しげる「墓場鬼太郎(はかばのきたろう)」の復刻版(サラ文庫)をひっぱりだしてみたが、主要せりふは全て活字だった。そうとう古い時代のマンガでも活字をいれているものが殆どのようである。[ネームを貼る]「写植を貼る」とかいう古くからのマンガ業界用語は、もともと活字であったから出てきたものだろう。
マンガにふさわしい書法がなかったことも一因なのだろうが、出版社側や、マンガ家自身に活字でいれるものという固定観念が日本では、強かったのかも、と感じる。「日本では」というのは、欧米のマンガの場合、文字が手書きのことが多いからだ。スヌーピーなど、、
スヌーピー美術館 SNOOPY MUSEUM
https://snoopymuseum.tokyo/s/smt/page/gallery?ima=0000
活字信仰というか活字で印刷した本だけが正統な本であり、手書きのものは未完成なものだ、という固定観念があったのかもしれない。