2020年03月31日

エイ鶴銘

鶴銘 compare.jpg



 崇善楼筆記に次のような話があげてある。
  大字麻姑仙壇記 を上海博物館の向氏が王氏のとこに鑑定依頼に来たそうだ。多くの専門家が佳拓だと褒めたが、よくよくみると、なんとコロタイプ印刷だった。また、北京の古書籍・拓本の専門店  慶雲堂の馬某が売り込んだ「旧拓龍蔵寺碑」がなんとコロタイプ印刷本を古い色に染めて墨を補ってそれらしく作ったものだった。

  上の右の画像、どうみても原拓を撮った写真にしかみえないが、実はそうではない。左は右のものをもとに「墨美」で翻印したものだ。
 これは、談書会集帖から切り抜いて編集したものである。大正のコロタイプ技術おそるべし。これは写真を1、2字ずつ切って冊に貼った形で影印している。もとは掛け軸装丁だったと思う。もともと戦前のこういう談書会集帖、 法書会の書エンなどは、1つの法帖を複数号の雑誌にわけて掲載して、あとで切ってまとめるようになっていた。だから、現在、切り刻まれた本や、別に一冊分に装丁されたものも多い。

 前、「道教の美術展」図録にった  エイ鶴銘の拓本を紹介したが、
  最近  別の拓本影印を得、その迫真に驚いたのであげてみた。実は、拓本じゃないかという下心があったのだが、違った。。

  エイ鶴銘の拓本は、下のエルスワース本のように、著しく墨が濃く、拓本なのか、単に墨塗りしただけのものなのかわからないものが多い。石の肌の感じが全くわからないものが多いのである。大阪市立美術館師古斎コレクションのものもそうだった。中国人学者にはしばしば濃い重い墨の拓本を愛好する人もいるがどうも理解しかねる。前、伊藤滋氏に裏打ちなし整紙本の拓をみせてもらったことがあったが、それは精拓でよく石の感じがでているものだった。
えい鶴銘 Ellsworth.JPG
posted by 山科玲児 at 16:44| Comment(0) | 日記
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: