昨年 3月21日 ニューヨーク Chritie'sで1点の金農の墨竹 掛け軸がオークションにでた。
https://www.christies.com/lotfinder/Paintings/bamboo-6189316-details.aspx?lid=3&from=relatedlot&intobjectid=6189316
この墨竹図は、文人画粋篇に収録されていて、まあ名があるものであろう。揚州八怪年譜も参照すると、伝世・所蔵家は、
シンガポールの陳之初 → Alice Boney → Irving Collection
と、どちらかというと、欧米にあったものである。
金農 年譜によると、1750年に、ほぼ同時に三幅 墨竹を描いたようで、1点は大阪市立美術館、2点は欧米になっていた。
金農の絵は、絵柄そのものは、意外とわかりやすいようにみえる、親しみやすそうなものが多いようにみえる。題字の文章はわかりやすいわけではないが、絵そのものはそういう感じがある。 欧米に多いのはそのせいかもしれない。
これはそれほどでもないが、金農の墨竹では、葉の幅が広い楓みたいな竹をときどきみる。このような竹を。杭州の黄龍洞で見たと陳舜臣が、中国画人伝に書いていた。
私が実物で観た、楓風の墨竹では、下イメージの上海博物館のものが佳作だっだ。これも1750年制作、どうも、1750年ごろに金農は墨竹ばかり描いていたらしい。大阪市立美術館の「揚州八怪展」図録掲載の3点の墨竹も皆1750年である。そうなると、また贋作をつくるときもまた、1750年にすることが多かったのだろう。ただ、金農の遺作に墨竹が多いというわけではない。むしろ墨梅のほうが量的には多いようだ。