ハンザ都市エストニアのタリンには、伝ヒエロニムス・ボッス「神殿から商人を追い出すキリスト」(イメージ)がある。
このバルト海ぞいのハンザ都市タリンには、やはり同じハンザ都市リューベック「死の舞踏」オルガンに付属していた「死の舞踏」の絵画のレプリカ・模写がある。
エストニアのタリン ベルント・ノトケBernt Notke(-1509)
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Bernt_Notke_Danse_Macabre.jpg
ハンザ都市どうしでアートの流通があったということだろうか? ある都市で有名な絵画を別の都市で模写して同じように飾るというようなことがあったのだろう。同じ画家が複数の同じ作品を作るということはざらにあることだったから、画家自身が作ったものかもしれない。
このタリンの絵画、伝ヒエロニムス・ボッス「神殿から商人を追い出すキリスト」は、2000年にロッテルダム ボイマンス美術館で開催されたヒエロニムス・ボッス展で出品されていた。これはリストで確かめた。しかし、記憶には全く残っていない。どうも真跡でもなく、あまりパッとしない作品はきれいに忘れてしまっているようだ。人間は関心のあること以外忘れてしまうのだろう。リストには入っているので、みなかったわけはない。一方、リストに無いもので、プラハにある「聖ヤコブの盾」という16世紀ボス派(ヤン・マイデン? ピーテル・ユイス?)による作品はよくおぼえている。木の丸い大きな盾に油彩でグロテスクなパレードを描いたものであり、写真もないのにいまだに微かに覚えている。
この構図の類品が何点かあるのだが、そのうち最もよさそうなのがコペンハーゲンにあるものである。タリンのものなども含めてコペンハーゲンの人が解説している動画がある。
このコペンハーゲンの絵画、マックス J.フリートレンダーが一時ブリューゲルの本物と考えたことがあったらしいが、数年後撤回した。