2020年07月23日

ひどい言われようだ

スウェーデン女王クリスチナ.JPG




イメージは、下村寅太郎 スウェーデン女王クリスチナ バロック精神史の一肖像  1975、中央公論社

1656年、30歳のスウェーデン(元)女王クリスティーナがパリの宮廷を訪ねたとき、宮廷女性は相当驚いたようである。
「化粧は15分、髪飾りは櫛とバンドだけ」「乗馬服を好んで着た」「学問に精励し、睡眠時間は5時間」という女王だったから。先王ルイ13世の王妃ルイ14世の母マリー・ドートリシュの寵臣であったマダム・ド・モットヴィル(当時41歳)
https://fr.wikipedia.org/wiki/Fran%C3%A7oise_de_Motteville
は、その回想録に、une egyptienne devergondeeのようにみえた。と書いている。ちなみに
マダム・ド・モットヴィル回想録は当時の宮廷を知る一級資料とされる。この「egyptienne」はジプシーだが、「devergondee」ってのは、この本で下村氏が訳している「だらしのない」というよりもっとヒドイ侮蔑語である。Robertで色々な用例、近縁語を読むとわかる。「あばずれ」ぐらいか。。

 まあ、当時のルイ14世初期マザラン摂政時代の宮廷女性のファッションは、ずいぶん飾り立てた豪華なものだったようだ。あのスペイン風の豪奢というやつである。 パニエ(コルセット)を使って膨らませたスカートとしめつけた胸、豪華なレースの襟や袖。技巧的に結い上げた髪、宝石で重くなった衣装、などなど、、むしろ、マリー・アントワネット時代のロココ時代のほうが、ワトーの絵のような優雅で柔らかいファッションになり、かなり楽になっている。そういう時代に自由奔放な男装に近い(といっても当時の男性の衣装もかなり飾ったものだったが)クリスティーナが、「女王」の肩書きであらわれたら、その驚きはどれほどだったろうか。一概に「追い出す」こともできず板挟みになった宮廷人の困惑が想像できる。


posted by 山科玲児 at 07:53| Comment(0) | 日記
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