イメージは、昭和蘭亭会のころに、松丸東魚氏が編纂した昭和蘭亭印集である。昭和47年10月・白紅社刊行。たくさんの篆刻家が一印づつ、蘭亭序の短い句を彫って、全文にしたものである。これは印影も含め全部印刷なんだが、実押原ケン本もあるらしい。これはずいぶん安かったので買ってみた本だ、
大正蘭亭会のときも作ったという。
有名な文章を1句づつ切って篆刻にし、多数の印影で全文表現して一冊の本・印譜にするという企画は、過去にも結構あったようだ。こういうのも複数の篆刻家が集まってやることもあり、一人で全部やることもある。
黄士陵 の 般若心経印譜 なんかは、一人で全部やった例だろう。
こういう形で蘭亭序を読んでみると、また新たな発見があるかもしれない。普通の蘭亭序の拓本や模写本をみているのとは感覚的にかなり違うのだ。