2020年09月19日

ホータンの蘭亭序


ホータン  蘭亭序.jpg
2014年06月19日 索靖 月儀の唐模本がロシアでみつかった
http://reijiyamashina.sblo.jp/article/100061168.html
でも紹介したように、ロシア所蔵の中央アジア発掘品には、書道史的にも重要な逸品が埋もれているようである。

2002年に中国人学者が発見したもので、当方が長く知らなかった件だが、ホータンで採集した蘭亭序の断片がロシア科学アカデミーにあるようだ(イメージ)。ダーx 18943-1 この「ダー」はキリル文字アルファベットの5番目の文字。ロシア科学アカデミーの漢文写本断片は皆ダーx」みたいである。一方、漢文印刷本はまた別の記号のようだ。

これは、唐前期に現在われわれが考える蘭亭序が、ほぼそのままの姿で存在していたという証拠になる。

様々な偽作説を反駁し、宋以後の歪曲を正すものでもある。

ただ、こういうのをもとにして、ホータンの人たちが皆、中国語を話し、漢文を学んでいたようなことをいう輩がいるが、それこそ独善的な中華思想だろう。交易都市ホータンの人々はマルチリンガルだったろうし、都市の一部にチャイナタウンがあったかもしれないが、ソグド・イスラム・ペルシャ・インドなどの文化の一つとして利用していたに過ぎない。

posted by 山科玲児 at 07:08| Comment(0) | 日記
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