2020年09月21日

杜家立成雑書要略



 信州大学学術研究院教育学系の小林比出代さんの下記論文を読んで、正倉院展などで実物をみたり、複製だが、巻物で全部みたときに感じたことを思いだした。

杜家立成雑書要略」第一紙の書法分析. ―「楽毅論」との比較から―.
https://ci.nii.ac.jp/naid/120005982895/

複製といっても大正ごろの豪華原色複製は20万円以上する高価なものなので触ったことしかない。明治の、色なんかは忠実ではない朝陽閣集古の石印複製でみているのである。宮内庁のサイトで一応全部みることはできる。
https://shosoin.kunaicho.go.jp/search/

私が感じたのは、なんで第一紙とその後で書風が全然違うのだろう。。ということだ。昔は第一紙だけが光明皇后の筆で後は輸入品だったのでは、、とも考えたことがある。実は朝陽閣集古の複製には「唐人書」と旧蔵者がコメントしてあったのだ。しかしねえ東大寺献物帳には「皇太后御筆」になっているしねえ。今、考えているのは第1紙が欠けた本を臨書したため、第1紙には手本がなかったので、他の写本を参考に自運で書いたのではないか? という推理である。ちなみに杜家立成雑書要略を俗書だといって貶す人もいるようだが、書の手本のテキストは俗書が多い。皆が知っているようなテキストが選ばれる。千字文とか和漢朗詠集とか百人一首とか。。奇をてらったテキストを書軸などに書くようになったのは明末以降とくに清時代後期じゃないかと思っている。趙之謙なんかはわざわざ佚文とされるものを書いたことがある。

 杜家立成
とかりっせい
用途 : 書蹟・地図
技法 : 紙
倉番 : 北倉 3
寸法 : 本紙縦26.8〜27.2 全長706 軸長30.6
材質・技法 : 本紙色麻紙19張 墨書 軸端は紫檀 軸木は檜
posted by 山科玲児 at 08:14| Comment(0) | 日記
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