昨日紹介したのは、青色顔料としても珍重されるアズライトですが、高い青色顔料のことは、酒井抱一なんかの話でもしばしば出てきます。フェルメールやラトゥールの話でもでてきます。そこで、一番高い顔料:天然ウルトラマリンのことについて、、
日本画も含めて、最も高価な顔料といわれるのが、天然ウルトラマリンです(イメージは小さな原石片)。これはアフガニスタン産の宝石ラピスラズリを砕いて作る青の顔料で、金より高いとされてます。
1508年11月4日、ニュールンベルク ヤコブ・ヘラー宛て アルブレヒト・デューラーの手紙の一部:
「私は一オンスのウルトラマリンを11〜12デュカ金貨では買うことはできません。」
ref. Sir William Martin Conway、Literary Remains of Albrecht Dürer、1889の英訳に基づく拙訳
つまり、一オンスで金貨12枚よりずっと高い、とデューラーは言っているわけですね。
当時の金貨は品位はともかく3グラムぐらいでしょうから、重量でいっても、金よりはずっと高かったということになります。