上海芸苑真賞社の出版物には、奥付がなかったり、あっても発行年月日が書いていないものが多い。1915年設立、オーナーの秦文錦が1938年逝去だがそのあと活動していたのかどうかもよくわからない。
ちょっと驚いたのは、八柱第一本蘭亭の墨跡本の影印を出していたことである。ヤフオクの写真で偶然みた。芸苑真賞社本は日本に多く輸入されたらしい。中国人が神保町で買いあさる前には、相当状態の良い本を何冊も、日本の古書店でみたものだ。
もし1938年までの刊行なら、三省堂の書エン 蘭亭号に言及がなければおかしいし、昭和16年にはじめてこの写真をみたという谷村憙齋 記録とも矛盾する。そうなると、芸苑真賞社は、オーナーの秦文錦逝去後も出版活動やっていて、1940年以後の出版物だと解釈するべきだろう。
ただ、もとになった写真がいつどこで撮影されたのか?という疑問である。1938年に出た 故宮博物院の豪華本から再編集したのかも、、 なぜかというと写真のつなぎ目におかしいところがあるからである。上イメージ