2021年02月09日

悪ふざけじゃなかった



Vivaldi Beatus Vir RV 795 Les Agremens Leonardo García Alarcón - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=NOSxxK945KM

で、少し変わっていますが感動的な演奏をしていた指揮者アラルコンが、バッハの農民カンタータのアリアをスペイン風にやっているという面白い動画をみつけました。これは2011年9月10日のオーベルニュの田舎の聖堂での演奏です。45万回以上再生されてますね。一旦動画が消されたので、同じ演奏の別動画に再リンクしました。

  Bach - Folia ("Unser trefflicher") - BWV 212 "Mer hahn en neue Oberkeet" -

YouTube 
  https://www.youtube.com/watch?v=W8fXnPgnth0(リンク切れ)

Vivaldiの動画みたとき、なんか胡散臭そうな一癖も二癖もある人物じゃないか、という印象を受けたので、このバッハの演奏自体が組み合わせと編曲による大向こうをならしてウケるためのパーフォーマンス・悪ふざけじゃないのかと思いました。そして、他の演奏などと比較してみたんですが、実は違った。実は深遠な意味があったのでした。

 驚いたことに、バッハはこの曲で器楽部分/伴奏で完全に「ラ・フォリア」を借用していました。あのコレッリの名曲で有名なあれです。古くはディエゴ・オルテッツの変奏曲集で有名なあのスペインの曲です。何となくアリアのメロディ自身も「ラ・フォリア」から、フーガの技法で変形したものではないか??という疑念ももっています。この「ラ・フォリア」 フランス・ヴェルサイユの作曲家・演奏者:マラン・マレも変奏曲を書いてますから、フランス音楽も学んだバッハはフランス経由で知ったのではないかと思います。あるいは、ヴィヴァルディ曲の研究から知ったのかもしれません。ヴィヴァルディは「ラ・フォリア」による曲を書いてます。

もっとも伝統的演奏だと思われるこの動画でも、それはあきらかに聴き取れます。。
Mer hahn en neue Oberkeet, BWV 212: VIII. Aria - Unser trefflicher lieber Kammerherr (Soprano)
https://www.youtube.com/watch?v=tW8E5ApkFcY
ペーター・シュライヤー指揮 エヂット・マチス

"Mer hahn en neue Oberkeet" BWV 212: Aria (Soprano) : "Unser trefflicher lieber Kammerherr"

https://www.youtube.com/watch?v=z5IIJ74b45I

トン・コープマン指揮

また、フルートを含めた器楽合奏に編曲し、楽譜も出した米国のヴァージョンだと更に明確にわかります。
Aria: "Unser trefflicher" (BWV 212 No 8) for Flute & Guitar Trio
https://www.youtube.com/watch?v=sYQbjBWLs-c

  それにしても、スペイン音楽を借用した大バッハとは、、、当方はバッハについて真面目に聴いていなかったとつくづく感じました。
posted by 山科玲児 at 07:03| Comment(0) | 日記
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