1963年に、 Mario Fabbriがアッシジのフランシスコ会修道院の図書館で発見したのが、このアルカンジェロ・コレッリArcangelo Corelli, (1653- 1713)のヴァイオリンソナタ曲集である。いろんな器楽曲を収録した写本Ms.177に十二曲セットとして入っていた。この写本には、コレッリの作品5(昔からよく知られた有名曲集)とアルビノーニの2つのソナタも入っていた。
ところが、これについては、Hans Joachim Marx は偽作だと考えて、コレッリのカタログの「付録」に収録した。
20世紀の偽作というわけではなく、18世紀当時は、有名作曲家の名前を騙って楽譜を出版したり、写本を売りつけたりすることがザラに行われていたからだろう。例えば時代は下るがペルゴレージ死後におびただしい例がある
作曲家が違う
で、当方も少し書いた。
勿論、真作説も当然あり、高名なヴィオリン奏者エンリコ・ガッティとGuido Olivieri は、真作として、CDを出している、そのプロモーションとしてYOUTUBE動画を出している。普通のコレッリの作品より少しくだけた作風なのが偽作とつっこまれるところなんだろう。
Corelli The "Assisi Sonatas"
コレッリの作品は作品1〜6 各12曲という出版されたセット(72曲)にあと数曲しか残っていない。
怖ろしいくらい寡作なので、コレッリは晩年、意に満たない作品写本を全て破棄したという伝説まで残っているくらいである。だいたいにおいて、磨きすぎたぐらい磨いた作風であって、上澄みだけしかのこさないというものである。少しヤリスギというか、優等生過ぎるというか、もう少し遊びやスキや山っ気があってもいいのではないか?と感じさせる。
だから、タルティーニはコレッリの小曲(四十秒ぐらい)を100回変奏して一時間以上の大曲にふくらませたりしている。
そういう意味で、失われたコレッリ作品の発見には多いに意味があると思う。
ただ、このCD、今は絶版のようだ。デジタル音源、MP3なんかは販売しているらしい。