2021年05月07日

ギブソン教授の概説

ブリューゲルとネーデルラント風景画.jpg

この図録の最初のウオルター S. ギブソンの概説は、とてもよくできていて感心しました。16世紀のフランドルの風景画をきれいに概説されていて、なんとなくわかった気にさせている。

ウォルター・S・ギブソン 「ピーテル ・ブリューゲル (父)と16世紀フランドルの世界風景画」(元木幸一訳)『ブリューゲルとネ-デルラント風景画』展カタログ,国立西洋美術館,1990年
これは、ギブソン教授自身によると、
W.S.Gibson,MirroroftheEarth:TheWorldLandscapeinSixteenth-CenturyFlemishPainting,Princeton,NJ.,1989
から「エッセンスのいくつかを要約したものである」
なんだそうです。

Walter Samuel Gibson (1932 ? 18 November 2018)
https://en.wikipedia.org/wiki/Walter_S._Gibson

 ギブソンさんというと、ヒエロニムス・ボスの本が日本ではめだったものでしたが、これはあまりおもしろいものではなかった。ギブソンさんの本領は、16世紀の風景画やロマニストという一番わかりにくい見通しが悪いところにあるようだ。その点ではブリューゲルのほうがより得意なのかもしれないが、日本語訳をみた限りは、ギブソンさんのブリューゲル本もいまひとつな感じがありました。その一方、この概説は眼をみはる出来です。

16世紀のフランドルの絵画というのはわかりにくい世界であり、ブリューゲルを代表させてすませるか、よくてマッシィスをだしておしまい。そのなかでも16世紀フランドルの風景画ということになると、さらに、なかなかわかりにくい。これが17世紀オランダなら、ロイスダールだのホッペマだのだして風景画の発展を賛美すればそれでOKなんだが、こちらはそうはいかないわけで、その難しいテーマを上手く料理されてました。



posted by 山科玲児 at 06:45| Comment(0) | 日記
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