2021年05月24日

音楽とルネサンス

pitti garden.JPG
優れた動画:
【決定版 クラシック音楽史】@中世・ルネサンス編 西洋音楽の始まり
https://youtu.be/pHejYIsg-wU
で,

「ルネサンス音楽というのは、ルネサンス時代の音楽ということです。『古代復興』という意味はありません。」

という鋭い指摘がしてありました。

  ただ、後期・最末期のルネサンス音楽には、多少「古代復興」のイデオロギーがでてくる。
 最初のオペラを作曲作詞上演させたフィレンチェのカメラータたちの指導者・詩人のリヌッチーニ Ottavio Rinucciniの

「古代では劇のせりふはすべて歌っていたといわれています。現代でそうでないのは、思うに現代の音楽が不完全であり古代の音楽に及ばないためでございましょう。」(1600年頃。文章は、どこかで読んだものの記憶で書いているので,不正確だと思います。イタリア語の原文もみつけていないので)

というパトロンへの献呈文には 古代の音楽復興の強い意志が感じられます。イメージはカメラータのオペラが上演されたピッティ宮の庭園、、庭園で上演されたわけではないようですが、雰囲気いいので、あげてみました(当方  撮影)。

カメラータたちの第2作オペラ エウリディーチェの動画
https://youtu.be/WHMJgGE5Doc

また、カメラータたちの一世代前の、ニコラ・ヴィチェンチーノNicola Vicentino(1511-1577)は、 古代の音楽理論に基づく微分音階をだす楽器アルキチェンバロの試作作曲、微分音階マドリガーレの作曲を行いました。その理論書は1555年に刊行された L'antica musica ridotta alla moderna  practicaです。
アルキチェンバロの演奏動画::なんか変な鍵盤でしょう??
https://www.youtube.com/watch?v=0akGtDPVRxk

 こういう、まさにルネサンスのイデオロギー実践は半世紀ぐらいは盛んだったのだが、すぐバロック音楽になってしまって、なくなってしまいました。ただし、古代復興という建前は、ルソーの時代まで、なんどもよみがえってきます。


posted by 山科玲児 at 06:38| Comment(2) | 日記
この記事へのコメント
Ottavio Rinucciniのマリア・デ・メディチ献呈文の最初の部分のようですね。
http://www.librettidopera.it/zpdf/euridice.pdf
上記サイトのp.4の2行目”gl'antichi Greci, e Romani cantassero su le scene le tragedie intere”と3行目”mi credev'io per difetto della musica moderna di gran lunga all'antica inferiore,”です。
昔、私もこのピッティ宮の庭園で夏開催された野外オペラを観たことがあります。残念ながら「エウリディーチェ」ではありませんでしたが(確か「椿姫」だったかな?)古の人々の気分を少しだけ味わえたかな?
Posted by fontana at 2021年05月24日 13:48

>fontanaさん
>
エウリディーチェのリブレット、ネットにあったんですね。ありがとうございました。しかし、当方のイタリア語はNHK旅行会話程度ですから、ろくに読めないとはいえ、リヌッチーニの献呈文は、格調が高い感じがいたします。どこかで読んだ日本語訳も、少しでも憶えていたぐらいですから。また、驚くのはマリー メヂチ フランス女王に対するおべんちゃら・お追従の類いが殆どみあたらないことです。こういう献呈文にはありがちなんですけどね。
Posted by 山科玲児 at 2021年05月25日 06:47
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]