2021年07月28日

香港 敏求精舎

明清絵画展覧.JPG

前にも書いたが、香港の 古美術骨董収集家の組織に、Min chu  societyというのがある。今年Orientations1-2月号にメンバーの方(前香港中文大学文物館館長 林業強氏(Mr. Peter Y.K.Lam))の回想と現在の世話役の方へのインタビューがのっていた。

香港雑誌オリエンテーションズ
   Orientations  Volume 52 ? Number 1 January/February 2021
https://www.orientations.com.hk/backissue/volume-52-number-1/

これは、収集家の集まりで、お互いの収集品をもちよって自慢の展覧会をしたり、会合で情報交換や、交友をしたりするのが趣旨である。もちろん文物の交換や売買も会員間であっただろうし、Hanart Galleryの美術商・画家 黄仲方 Harold Wong のような古美術商も参加していたようだ。
 そうとう昔、ネットの掲示板の質問で、敏求精舎のメンバーになるにはどうしたらよいか?という質問があったが、結局香港で収集家になり敏求精舎メンバーが出入りしてるような有力古美術商のおとくいになって紹介してもらうしか方法はないでしょう。と答えておいた。個人的親交からできた組織なんだから、一般に開かれたものではない。

 この記事によると、上海出身で香港に移った銀行家:胡仁牧J.M. Hu(1911-1995)の提唱で、1960年に組織されたものであり、創立メンバーは15名だったそうである。 当然 ほとんど物故していて、相当入れ替わっている。J.M. Huは清朝官窯陶磁器の収集 だったようで、記事には郎廷極の堂号「振鷺」が入っている見事な「成化豆彩うつしのコウキ官窯」がのっていた。現在は41名だそうだ。

Orientationsは英文誌なので漢字名がわからないのだが、、
 1970年に敏求精舎が明清絵画展を開催していて、そのときの目録がある(イメージ)
 そのときの出品者名(英字名と漢字名)を比較して多少推察できたし、他の本も参照した。

  現在の中文大学文物館、香港芸術館の中国美術の大収集のかなりの部分は、敏求精舎メンバーからの寄付寄贈によるものである。

 お金儲けにしか関心のなさそうな香港人にもこういう一面がある。香港のビジネスマンは、ぬけめなく契約にはシビアだが、約束は守るし、ブリティッシュ・イングリッシュを見事に繰る紳士が多かった。現在の中共支配の状況には同情の他はない。国外脱出者もそうとう多いのではなかろうか。



posted by 山科玲児 at 09:00| Comment(0) | 日記
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