で紹介したカークビーのディドは、少し声が可愛らしすぎて、この曲の凄さを最大限発揮しているとはいえないように思っています。
ただ、柴田南雄先生が「はたして往事の女子学生の学芸会でこの広く深い感情の表出ができたのであろうか、と疑いたくなる」(ref)と書いたように、記録されている最初の上演はジョサイア・プリ−スト経営の女子寄宿学校での1688年ごろの上演、そして1689年に同じ学校で再演されている、という不思議な履歴をもっている。そういう意味ではカークビーの可愛らしい声のほうがあっているのかもしれません。
ただ、現在の学者は、その前に英王室内でセレナータのような形で上演されたものではないか?と議論しているようです。
カークビーの反対の極の絶唱型が
イタリア風 パーセル
http://reijiyamashina.sblo.jp/article/187806328.html
で紹介した、ボローニャの団体のミラノでの演奏::
Anna Caterina Antonacci, soprano
https://youtu.be/AZuiaMLtHog?t=176
まるで、トスカみたいな、熱演ですね。
この曲には、往年のワグナー歌手フラグスタートがディド、あのエリザベート=シュヴァルツコップがベリンダをやった
CDがあります(イメージ、今はジャケットが違うっぽい)。
Kirsten Flagstad
ElisabethSchwarzkopf
Geraint Jones, conductor
Recording: 1952
Kirsten Flagstad; Elisabeth Schwarzkopf; "DIDO & AENEAS"; (Excerpts); Henry Purcell
https://www.youtube.com/watch?v=UHC2nHs3EZ0
英国風の中庸を得ているものとしては、、
EMILY VAN EVRA
https://www.youtube.com/watch?v=OgFYb5Jskd4
をお薦めします。
ref 柴田南雄、西洋音楽の歴史 (中)、音楽之友社、昭和44年