2021年08月22日

ウラジーミル1世の逸話



井上 浩一, 生き残った帝国ビザンティン, 講談社学術文庫
https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000151457
に面白い記述がある、、プーチンと同じ名前の
ウラジーミル1世(955年頃 - 1015年7月15日)の逸話だ。

キエフに都を拠点としたウラジーミル1世は、国家にふさわしい宗教を調査させた。イスラム教、ユダヤ教、ギリシャ正教、カトリックなどの宣教師が国内に入り込み野蛮だが純朴なロシア人をオルグするので民族の分裂を避けたいということもあるだろうし、先進文明をとりいれたいということもあっただろう。なんか、日本でいうと聖徳太子の時代に仏教をいれるかで内乱になったことを思い出す事情である。

  そのときのウラジーミル1世の考えが面白い。

>イスラム教は、たくさんの妻をもてるのはいいが、酒を飲んでいけないというのは、ロシア人の生きがいを否定するものだ。ユダヤ教がもし正しい教えなら、どうして彼らは祖国を失ったのか、、

  ここで、ユダヤ教についての否定的な言葉がでるのは、当時、ウラジーミル1世の先代によって、ユダヤ教国家ハザールが滅亡させられたことも関係があるだろう。そして、現在、かなり閉鎖的で宣教なんかしないユダヤ教が当時は宣教していたという事実も知ることができる。

で、結局、ビザンティンとの政略結婚によって、ギリシャ正教文明を導入することになる。
posted by 山科玲児 at 07:49| Comment(0) | 日記
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