2021年09月30日 インド・デリーにある元青花陶磁器
http://reijiyamashina.sblo.jp/article/189030750.html
で、インドでの元青花について書いた。
イメージは、雑誌 古美術18 元代の染付 1967-07 .三彩社
中国美術のなかで元時代の美術、特に陶磁器や漆器などへの評価の高まりは、1960年代ぐらいの比較的近年によるものである。
実は、中華思想の影響で、元時代の美術を低くみる風潮があって無視しがちであった。元末4大家の絵画は高く評価されていたが、陶磁器などは、現在 元時代とされているものでも「明初」などとされているものが多かった。
元時代の陶磁器がクローズアップされたのは、正確な記年銘のあるデヴィッド瓶の公表とクリーブランド美術館の特別展がきっかけである。
DAVID VASES
https://www.britishmuseum.org/collection/object/A_PDF-B-614
クリーブランド美術館
Sherman Lee , Wai-kam Ho、
Chinese Art Under the Mongols : The Yuan Dynasty ( 1279-1368 )
Publisher
Cleveland Museum of Art、 Cleveland , Ohio、 1968
しかもこの1960年代には、中華人民共和国は、貿易的に制限されていたのみならず、中国産のものは骨董品ですら米国への持ち込みが難しかったという。この時代のこの事情を覚えている人が少ないだろうから、あえてここに書いておく。