2021年10月26日

松岡清次郎氏のコレクション


 松岡美術館がコロナ禍を経て再開したそうだ。
 https://www.matsuoka-museum.jp/staff-blog/2803/
バブル期より前、高度成長期の不動産で財をなした富豪の松岡清次郎氏(1894−1989)は、かなり優れたコレクターで、かつ独創的なコレクターであり、逸話が多い人でもあった。松岡氏のコレクションの多くは、白金台の松岡美術館に入っているようだ。
https://www.matsuoka-museum.jp/

 一番、有名な話は「エコノミークラス」だ。海外のオークションに参加して直接買うのを好んだ。それも大富豪の老人がエコノークラスでロンドンまでいったという逸話である。同じ飛行機に乗った古美術商がビジネスクラスだったので顔を会わせにくかった、という。このころはロシアの上を通れなかったので、南周りであり、今よりずっと時間がかかった。

 松岡美術館でコレクションをみると、特に優れているものは中国陶磁器とインド彫刻である。

あまり知られてないかもしれないが、インドは文化財輸出にはかなり厳しく、二十世紀後半でインド彫刻を買うとしたら、昔、欧米へ流出したものを買うしかない。

 ガンダーラ彫刻が結構売っているじゃないか?という声があるかもしれないが、あれは、パキスタンやアフガニスタンからの流出である。

 ガンダーラ彫刻も優れたものを集めてあるし、数もこちらのほうが多いのだが、本土インドの彫刻を観ることができる場所は、日本には少ない。
また、クメールの優れた神像が二体ある。
  どうも、これらの南アジア彫刻は、ロンドンのスピンクからまとめ買いしたもののようだ。おそらく「ロンドン骨董街の人々」(ref)の第八章「ある古美術商の死」に活写されたゲイの担当者 アンソニー・ガードナー氏のの目利きによるものであろう。彼はHIVによって逝去した。

 中国陶磁で、もっとも優れているのは、やはり、元青花のメイヤー瓶であろう。
  ニューヨークの収集家 フレデリック・メイヤー氏旧蔵の  八角瓶で、ちょっと比肩するものがない。
しいていえば北京の近く保定で出土した元青花の八角瓶だろうか、ただ保定の瓶は龍文であり、絵のおもしろさはメイヤーのほうが優れている。

繭山康彦(現 西村 康彦)氏がこの瓶について優れた文章を書いていた(REf2)。

それによれば、メイヤー氏の前の所蔵者はドイツのアルニム侯爵ヘルマンだったそうである。

REF 六嶋 由岐子,  ロンドン骨董街の人びと,  新潮社,   1997
ref2  繭山康彦、骨董勉強ノオト、 新潮社、昭和54
タグ:松岡美術館
posted by 山科玲児 at 07:57| Comment(0) | 日記
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