2021年12月02日

第二次世界大戦とモーツアルトの自筆譜



モーツアルトのオペラ
という新刊書を借りてきて読んでいたら、あることに気がついた。
モーツアルトのオペラの自筆総譜が、ほとんどポーランドのクラコウのヤギェウォ大学図書館とベルリンのプロイセン財団図書館に収蔵されていることだ。ウイーンにもザルツブルクにも1点もない。
これは一体どういうことなんだろう。
  ヤギェウォ大学図書館Jagiellonian Libraryは、クラクフにあるJagiellonian大学の図書館で、約670万冊があり、ポーランド最大の図書館の1つだそうだ。

  どうも、これは、ナチスドイツによる文化財収集・第二次世界大戦中の疎開と関係があるようである。多量の自筆譜(ベートーヴェンの第9自筆譜の大部分も含む) をベルリンから現ポーランド(当時はドイツ領)のBreslau (now Wroclaw)の修道院に1941年に疎開したということらしい。
そのため、戦後に返還されたものと、ポーランドに残したものがある。
おそらく疎開の前に、ナチスによる大収集・没収があったのではないか。そのためにベルリンにモーツアルト・ベートーベンなどの自筆スコアが集中してしまったのではないか?と思う。その集中したコレクションがポーランドへ疎開されたのだろう。

posted by 山科玲児 at 10:40| Comment(0) | 日記
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