日本書紀の敏達天皇のところには、物部守屋の廃仏 の理由として、仏教が入ってきたら、天然痘が流行って、人民が滅亡しそうないきおいだ、疫病が流行ったのは仏教のせいだ、ということが書いてある。
これは、後の16世紀に天然痘がメソアメリカや南アメリカで猛威を振るって、先住民の90%以上を殺戮した例を考えると、それに近いような状況が欽明天皇〜敏達天皇のころに起こったのではないかと思う。
アメリカ先住民たちほどDNAの均一度が高くなく、いろいろな血筋が入っていた当時の日本人でも最初の天然痘流行では大被害があっただろうし、それと仏教伝来が同時になったとしたら、そう考えるのも無理はない。
それに、仏教が全く濡れ衣かというと、そうでもない。
西域や南アジアからきた仏僧によって仏教がきたわけだし、同時に疫病ももってきたという可能性が高い。シルクロードは疫病の道でもあったのだ。したがって仏教に近い人ほど天然痘に触れる危険が高くなることになる。
敏達天皇、そしておそらく用明天皇は、天然痘で逝去している。