2022年01月25日

ジョスカンのミサの歴史的録音



ルネサンス音楽の代表者:ジョスカン・デプレ 随一の傑作である「ミサ・パンジェ・リングア」の1950年代ごろの録音が2つある。
一つはARCHIVレーベルのブリュッセルの団体  サッフォード・ケープ、プロムジカ・アンティクァのもので、柴田南雄先生の本に紹介されていたもの、もうひとつが、DECCAレーベルのノア・グリーンバーグ指揮のニューヨーク プロムジカ によるものである。
  実は、このニューヨークのほうの アニュス・デイがずっと気になっていた。なかなかのびやかな良い演奏で、第3アニュスで、突然、プレインチャントのパンジェ・リングアのメロディの主旋律(当時はそう解釈していた)をたぶんグレゴリアンで歌って重ねていたのが、とても高揚感があってよかった、と記憶していた。そしてここのところだけを何度も聴いた覚えがあるのである。LPをひっこしなどで紛失してしまい、果たしてあれはニューヨークのものだったか、ブリュッセルのものだったかさえ、怪しくなっていた。
  最近、ネット試聴でブリュッセルのものを聴いて、どうも違うとわかった。はっきりいって、この演奏は、本当に残念ながら、もはや聴くに耐えない。
 そうなるとニューヨークのほうである。
 なんども検索したあげく、米国政府機関のARCHIVEにデジタル音源があることがわかった。LPからなので雑音もあるがまずまず聴くことができて、とても嬉しい。
 Missa Pange Lingua / Motets & Instrumental Pieces
    Josquin Des Prés; New York Pro Musica  
       Decca (DL 79410)
https://archive.org/details/lp_missa-pange-lingua-motets-instrumental-p_josquin-des-prs-new-york-pro-musica/disc1/02.03.+Missa+Pange+Lingua%3A+5.+Agnus+Dei.mp3


 よく聴くと確かに上声部は別の歌詞を歌っている。「レジナ」ときこえるのでマリア賛歌のようだ。「パンジェ・リングア」ではないかもしれない。この部分だけが一種のクオドリベットみたいなポリテキストのモテット(13,14世紀に流行った)のようになっている。
  風雲児 ノア・グリーンバーグらしい大胆な演奏だが、なかなか良い。中低音が大きいのも感じが良い。現代の演奏は高音部が前にですぎだと思う。歴史的録音・演奏だが、現在でも聴くに値すると思った。

 LPからCDに媒体が移ったとき失われてしまった演奏ソフトというのがかなりあると思っている。こういうことは写本から印刷本へ移ったときも起こっただろうし、今後もメディアが変わることによって取りこぼされ喪失する作品はでてくると思わないといけないだろう。

ちなみに最近の録音としてネット公開されているものでは、、
Josquin Des Prez: Missa Pange lingua - Agnus Dei
https://youtu.be/dSPbE_AQgpA?list=OLAK5uy_kxQECVUjMBNIKdavS5jZ6xLs60zQZ48Po
があった。これは英国人のグループStile Antico によるもので、CDなど発売しているので宣伝の意味でアップされているのだろう。
posted by 山科玲児 at 08:45| Comment(0) | 日記
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